大学進学不要論ってどう?学費や就職のリアルを検証

最近、SNSやニュースなどで「大学進学不要論」という言葉を目にする機会が増えました。
数百万円もの学費を払ってまで大学に行く意味が本当にあるのか、気になっていろいろな情報を調べてみたのがきっかけです。
高卒で早く社会に出るルートや専門スキルを磨く選択肢が注目される一方で、やはり大学を出ておいたほうが安心だという声も根強く存在します。
この記事では、学費や就職率、将来の収入に関する実際のデータをもとに、大学進学の価値や不要と言われる理由を整理してみました。進路に悩んでいる方の参考になれば嬉しいです。
大学進学不要論が注目されるようになった背景
近年、大学に進学しない選択肢が話題にのぼる背景には、学費の負担感や社会の変化があります。
高校卒業後に大学へ進む人の割合は58.6%を超えており、18歳人口の半数以上が進学する時代になりました。
一方で、私立大学の初年度納付金は平均で約151万円に達しており、4年間の総額では文系で約410万円から430万円、理系では約550万円から600万円以上かかるケースも珍しくありません。
このように学費が高騰する中で、大学生の約半数が奨学金を利用している現状があります。
将来的に返済が必要な貸与型の奨学金を抱えるリスクを考えると、高い費用を投じてまで進学するリターンがあるのか疑問を持つ人が増えているようです。
大卒と高卒でどれくらい違う?賃金と生涯収入の現実
学歴による収入の差については、公的な統計データにも明確な違いが表れています。
月額の平均賃金を比べると、高校卒が約28万9,000円であるのに対し、大学卒は約38万6,000円となっており、月々でおよそ10万円の開きが見られます。
この毎月の差が積み重なることで、生涯賃金にも大きな影響を及ぼす点に注目です。
定年までフルタイム正社員として働いた場合の生涯収入は、退職金も含めると大卒が高卒を数千万円から約6,000万円上回るという試算が出ています。
具体的に金額を見ていくと、男性の場合で高卒の生涯賃金が約2億7,500万円であるのに対し、大卒は約3億3,950万円ほどという計算です。
正直、学費の負担は非常に重いものの、生涯で得られるリターンを考えると、大卒というカードの経済的なメリットは依然として大きいかなと感じます。
学費と奨学金から見る進学の金銭的リスク
大学進学における最大のネックとなるのが、進学費用の工面とそれに伴う将来の返済リスクです。
国公立大学に比べて私立大学の学費は高く、授業料の値上がり傾向も続いています。
実際に大学生の生活実態を調べたデータを見ると、約51%から55%の学生が何らかの奨学金を受給しているのが現状です。
利用者の多くが返済義務のある貸与型を利用しているため、社会人スタートと同時に数百万単位の負債を背負うリスクも否定できません。
ネット上の口コミや評判を聞いてみても、以下のような懸念を持つ人が多い印象を受けます。
- 毎月の奨学金返済が負担になり、手取り収入から自由になるお金が減ってしまう
- 入社した会社が合わずに早期離職した際、返済のプレッシャーが重くのしかかる
- 明確な目的がないまま進学すると、学費に見合う成長が得られたと感じにくい
奨学金は進学を助けてくれる貴重な制度ですが、将来の回収見込みを考慮せずに借りてしまうと、卒業後の生活を圧迫しかねない点には注意が必要です。
就職率は98%!データから見る大学進学の強み
コストやリスク面がクローズアップされがちな大学進学ですが、就職面においては非常に強い数字が出ています。
今春卒業した大学生の就職率は98.0%と、高い水準を維持しています。
日本の採用市場では、依然として大卒であることを応募条件に掲げる企業が少なくありません。
特定の大手企業や研究開発職などでは、学歴による一定の要件が存在するのも事実です。
また、就職活動におけるサポート体制やキャリアセンターなどの学内施設が充実している点も、スムーズな就職を後押ししています。
未経験から一定以上の規模の企業へ就職を目指す場合、大学という環境は非常に使い勝手の良いルートとして機能しています。
大学進学が不要とされる具体的なタイプや選択肢
大学へ行かないほうが良い、あるいは他の道を選んだほうが活躍しやすい人には、いくつか共通する傾向があります。
全員が全員、大学に通うことが最適解というわけではありません。
例えば、以下のようなタイプや目指す方向性がある場合は、進学以外のルートが適していることもあります。
- ITプログラミング、Webデザイン、動画編集など実務スキルを早く身につけたい人
- 若いうちから現場で実績を積み、独立や起業を目指している人
- 欲しい知識やスキルが明確で、独学やスクールを活用して能動的に学べる人
このような分野では、学歴よりも「何ができるか」という個人の実績やポートフォリオが重視されます。
自分の力で成果を出せる人にとっては、4年間の時間と数百万円の費用を実務経験や事業に投資するほうが、効率的なキャリア形成につながるケースも少なくありません。
それでも大学に進学しておいたほうが確実なケースとは
一方で、将来の目標によっては大学進学が絶対に欠かせない場合や、進学しておいたほうが有利になるシチュエーションも少なくありません。
具体的には、次のような目的を持つケースが該当します。
- 医師、弁護士、教員、研究職など、特定の学位や国家資格要件が必要な職業に就きたいとき
- 伝統的な大企業や外資系企業で、総合職としてキャリアをスタートさせたいとき
- 幅広い教養を深めたり、将来にわたる人間関係やネットワークを築いたりしたいとき
専門性の高い職種では、大学や大学院を卒業していることが前提条件です。
また、将来の選択肢を狭めたくない場合や、やりたいことがまだ明確に決まっていない段階であれば、大学に進んでおいたほうがリスクは少ないかなと思います。
後悔しない進路選びのための考え方
「大学に行くべきか否か」という問いに対して、万人に共通する正しい答えはありません。
大切なのは、周りが進学するからという理由だけで決めず、自分なりの目的意識を持つことかなと感じます。
進路を考える際は、かかる費用(学費や生活費)と得られるリターン(将来の予想収入やスキル)のバランスを冷静にシミュレーションしてみるのがおすすめです。
費用対効果を意識したうえで、自分のやりたいことや適性と照らし合わせながら判断すれば、どのような選択をしたとしても納得感を持って前へ進めるはずです。
自分に合った進路を見つけるために
大学進学不要論について情報を調べてみると、学費の高騰や奨学金の返済リスクがある一方で、生涯賃金や就職の選択肢の広さにおいては依然として大卒が優位であることが分かります。
実務スキルや起業を重視するなら高卒や別ルートも魅力的な選択肢ですが、将来の選択肢を広げたい場合は大学進学の価値も大きいです。
双方のメリットと注意点をしっかりと比べたうえで、納得のいく進路を選んでみてください。
この記事が少しでも参考になれば幸いです。
